痴レ者につき。

井の中の蛙が、井の中から空を見上げたり、井の中に落ちてきた枯れ葉を眺めては、「これは何だらう」と愚考する系チラシの裏。

映画の感想を書く4月30日。『七人のおたく cult seven』

本日観た映画は掲題の通り『七人のおたく cult seven』。
昨日の『ラ・ラ・ランド』のダメージが大きかったので、笑えるコメディ作品が観たいと思ったっす。
何だかんだで『内P』世代なので、ウンナンが出ていれば笑えるだらうなーって甘い考えだったっす。

 

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キャラクター/虚構の人物の魅力
→2.0/5.0


視聴中の物語の整合性
→1.5/5.0


画面への吸引力
→2.0/5.0

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結果的には選択ミスった感が半端なかったっす。


キャラクター/虚構の人物の観点だと、おたくっぽさが半端だったような印象が拭えないっす。

ゼロ年代よりも前にこれだけおたくっぽい造型を出せたのはすごいことかもしれないっすが……。
それが魅力につながっているかと言うとそんなわけもなく。
少なくとも他作品に出張できる(n次創作ができる)"キャラクター"ではなかったなあ、と。
じゃあ"人物"として見た時には、それはそれで半端なおたくっぽさが足を引っ張り始めてキャラクターっぽく見えてしまう。そんな印象だったす。

伝説の造型師がムラ社会でひっそり暮らす悲哀を掘り下げてくれたら、丹波に関しては魅力が出たかもしれないっすね。
まあ、そういう作品じゃあないんですけど。


物語の整合性は、筋は通っているのかもしれないっすけどって感じ。

正義の名の下にやっていることは犯罪(何だかんだ言ってましたが誘拐っすよねアレ……)って構図自体は、実はすげぇ好みっす。
但し、その相手が犯罪じゃないと戦えない相手だったのかと言うと、うぅん。
ムラ社会のトップ相手に外国から嫁いで来た女が戦うにはそうせざるを得なかったのかもしれないっすが、結局また奪い返されるのでは感が拭えないっす。
しかも終盤、別の男性とくっついちゃうっすからね。その男は連れ子がいる前提で付き合い始めたとは思えないので、何だかなあ。幸せになれると思えないエンディングだったのが引っかかるっす。

筋は通っているけど、そもそもやっていることがって観点で、ちょいちょい気になっちゃったす。
あとやっぱり、飛べたから何なんだよ感は強いっす。


画面への吸引力は、上述の点から損なわれているなと言う印象。

お色気シーンは良かったっすね、みたいな顔になるっす。
前半フラストレーションを貯めさせて、終盤で爆発させる構図なのは分かるっすけど。分かるっすけど、ちょっとモヤモヤ感が強過ぎるっす。モヤモヤの中にも目が離せなくなるシーンが欲しかったっす。


何と言うか、コントなんですよね。はじめからコントとして観れば、楽しめたのかもしれない。
爆笑し続けられるタイプのコントではないっすけど……オチも笑える類のものではないっすけど……。

あるいは、ゼロ年代よりも前のおたくの印象を垣間見るって観点では名作な気がしないでもないっす。
そもそもこの作品の強みはそこにあって、おたくというものがより一般的になってきている10年代(つーかもう20年代っすよ!)では、その魅力が感じ取れないのも仕方ないのかもしれないっす。
そういう点も含めて勉強/研究目的で観てみるのは大いにありな気がするっす。今回は気分に合わなかったのが残念って話っす。

それとは別にセールスポイントを見つけるならば、やっぱり演者の若さっすかね。
何よりウッチャンのアクションはキレッキレで笑っちゃうっす。
『内P』ならいざ知らず『内さま』だとアクションできる印象はなくなってきてるっすから。
当時はこれだけ動けていたんだなあと感心するっす。
他にもナンチャン良い声じゃね、とか。武田真治ほっそいなあ、とか。江口洋介変わらないなあ、とか。

うん、やっぱり当時の雰囲気を楽しむ/研究する為の作品なのかもしれないっすね。

 

 

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