痴レ者につき。

井の中の蛙が、井の中から空を見上げたり、井の中に落ちてきた枯れ葉を眺めては、「これは何だらう」と愚考する系チラシの裏。

12月27日はFate/Grand Orderの1.5部を振り返る。

タイトルの通り。ただただそれだけの記事。もちろんネタバレ含む。

 

 

 


宮本武蔵体験クエスト>

ストーリー云々よりも、
「編纂事象」や「剪定事象」の概念が興味深いイベント。
これらの概念に触れられたことにより、「人理定礎」と「霊子記録固定帯」のグルーピングが容易になり、妄想が捗るようになった気がします。

ちょっと気になったのは、「人理定礎」や「英霊の座」は何が記録しているのか。
アラヤ? ガイア?

又、「守護英霊召喚システム・フェイト」はどこから英霊を引っ張り出しているのか、も気になる点。
それこそ「なかったこと」になった月の裏側の存在を呼び出せているのが不思議でならない。
「獣の権能」を有しているのは彼女1人のはず。

時系列的にはセラフィックスの出来事が「何か」に記録されたってことなんでしょうが。
それにしてもBBちゃんが「なかったこと」にしたはずなのよね。分からぬ。

 

<悪性隔絶魔境 新宿>

1.5部の基準となるお話。従って印象に好悪は無し。

とは言うものの、割と面白かったなとも思います。
1.5部に期待が持てなくなるような、そういった中身ではなかった。
良いスタート。

シナリオとしても、割とFGOには珍しい裏切り方だったり、何だかんだラストの宝具競演には胸が熱くなったり、マシュ以外のパートナーサーヴァントとの行動だったりと、第1部のおまけストーリーとしては十分な魅力を有していたと思います。

改変立ち絵の登場も嬉しいですね。
オルタ二人娘の可愛いこと可愛いこと。
つーかあの二人の霊衣はよはよ。

あの「無銘の英霊」がオルタ化するほど新宿の「悪」はやばいとか、英霊ではなく幻霊による脅威とか、今後の複線蒔きとか、やりたかったことは読めるんだけど機能していたかって言うとアレだなあという点もチラホラ。

 

<「BBちゃんの逆襲/電子の海で会いましょう!」>

1.5部のピーク。最も面白かったシナリオ。
思わずPSPとCCCを引っ張り出してしまった。
いやあ、トリスタンルートは感動したなあ……。

基本的にはCCCで報われなかったアルターエゴのルート開拓シナリオ。
エリちゃんはFGOで改心後と思われる言動が多々あったのに対し、アルターエゴは消滅(吸収)エンド以外の露出がなかったのでこれは嬉しい。
月の聖杯戦争に無関係な藤丸相手だからな展開だったような印象を受けます。

メルトリリス単騎での戦闘を、魔術礼装で補佐するのは楽しかった。
ゲストサーヴァントにも概念礼装着けたいなと思った瞬間でもある。

はくのん無銘ルートが好きな私としては、彼(のそっくりさんであるエミヤ)に会わせてあげたかった気もしますがそこはそれ。

露出って意味ではキャス娘の不憫度が加速した感もありますがそこもそれ。

いや、赤王はもう十分活躍してたし外されるのは分かります。ただでさえ岸波白野の正妻ポジ貰ってるんだし。
エミヤオルタは、無銘がエクステラでメインから外されたことも加味するに、恐らくこれ以上「彼」でシリアスをやる気は無いんだろうな、アニメ版UBWで満足したんだろうな、そもそも何年前の作品だよって点から、「彼」に代わるシリアス要員としての登場っていうのも分かります。

だからキャス娘も同様に外されるのは分かるんですが、それにしたって露出少なくねぇですかね?

ギル様も第7章で大活躍してましたし、って言うか今更だけどトリスタンってギル様の代替ポジションだったんだろうか。
縁も縁もないな。

 

CCCを経て価値観が変わったアルターエゴが、FGOによって価値観を変えられてしまったビーストを打倒するというシンプルながらもコラボならではな構図も好みでした。

殺生院祈荒が月の記憶と同化したことで、夢に消えたアルターエゴが現出するのも皮肉が効いてて好き。

剪定事象の可能性こそ残るものの、殺生院祈荒が常に破滅するわけでもなさそうなのも善哉。
引けなかったのが残念で仕方ない。

サーヴァントという枠におさめられた為か、電脳世界ではない為か、(メタ的にはゲームバランス調整以外の何物でもないが)アルターエゴの宝具が軒並み弱体化しているのもちょっち残念。
メルトリリスの高笑いも行くわよもかなり好みなので、それ故により残念。
引けていないので関係ないね。

繰り返しますが、シナリオは非常に好みでした。
好いコラボシナリオでした。
太陽の騎士とBBちゃんが(主人公を媒介に)協力体制になったのも好いよなあ。

 

<伝承地底世界 アガルタ>

1.5部で最も評価できないシナリオ。

ヘラクレスヘラクレスしてた点は好き。
奴隷商人が奴隷商人してたのも好き。
同行サーヴァント二人が可愛かった。

以上。あれ、意外と楽しめてる気がしてきた。

ラスボスの目的は嫌いじゃないんだけどさあ。
そこで「彼」を羨望して、結果として主人公勢がブチ切れるという展開は嫌い。
嫌いというか、主人公そこまで「彼」のこと好きだったか? となる。

妄想する分には好きですよ。そういう関係の薄い本も読んだことありますし。
しかし、復刻イベとか眺めている限り、FGOの本筋(公式)では結構ぞんざいな扱いだったよね、という顔にもなる。

主人公は最期を見届けたからで納得するにしても、同行サーヴァントやホームズが主人公と同じ気持ちになるのは違和感。
お前らボロクソに評価してたやん、と。
仮に主人公の気持ちについていけていなかったんだととしても、それはそれで違和感。というか、展開的にどうなのそれって感じ。
あの場で主人公だけが熱くなってたの?

 

又、ラスボスの目的は嫌いじゃないんだけど、アルキメデスみたいに召喚拒否すれば良いじゃん、という気持ちになってしまう。

触媒を準備してまで「彼女」の召喚を狙うマスターがいるのかっていうのも疑問。

翻せば、冬木式で最弱のキャスターを引いてしまったマスターからぞんざいな扱いを受けた、その蓄積の結果として歪んでいったと考えればまだ納得はできるか……?

その辺から、カルデアの召喚システムの異常性を指摘するとか、聖杯戦争があるから世界を壊すしかないんだとかの展開にして欲しかったなあという欲望。
聖杯戦争を消し去りたいなら、神秘の公開(=魔術の完全解体)を目的としている点も腑に落ちるし。

その辺の目的と手段と結果の関係が歪んでいるからこその、「歪みなき願いの歪み」なんでしょうが。

 

「1.5部はどこからでも遊べます」と大嘘を吐いたのも謎。
一応、新宿→アガルタさえ保っていれば破綻は見えないようにも思うが、そこを保たなければならない時点で「どこからでも」ではない。

 

シャーロック・ホームズ体験クエスト>

1.5部最大の問題点。その問題は2部にまで侵食しそうなのが何より怖い。

イベント自体が問題なのではなくて、ホームズがカルデア所属のサーヴァントになってしまった点が問題。
しかも、対抗できる存在である教授もカルデア所属なのが拍車をかける。

すなわち、主人公たち現地組が推理を行う理由が消え去るんですよね。
理由どころか、推理そのものが不要になる。
情報を集めて、カルデアに投げれば良い。後はホームズが『解明』してくれる。

この展開を回避するにはカルデアとの通信を断絶させるだけで良いのだが、カルデアでは主人公の存在証明をし続けなければならないという設定と、パートナーサーヴァントであるマシュが現状非戦闘員という設定が足を引っ張る。

又、霊基が損耗していたという設定も回復しているので、ホームズが現地に付いて行っても良いんですよね。
そしたら回避策すら消え去りますよ。

防止策としての「裁定者」クラス付与(片方に肩入れしない)がありますけど、歴々の「裁定者」ってああいう面々なので、防止策になっている気がしない。

2部の展開、大丈夫なのか。

 

<屍山血河舞台 下総国

FGOでありながら特異点ではなく、故に抑止力も働いているという珍しい舞台。
その珍しさや、戦えるパートナーとの二人旅、英霊同士の"決闘"など、色々楽しい要素が散りばめられていました。

後、『魔界転生』のパロディになっていたのも面白い。
しかも、ケン・イシカワ版の『魔界転生』とか、ずるいよね。

「英霊剣豪とはあの方を! 大魔神王をこの宇宙に呼び戻すための道具なのじゃ!」

というわけで1.5部の中での評価は高め。

私が大の苦手とする清姫も、安珍の転生フィルタを外して1人の人間として見てくれるならば、その上で好意をぶつけてくるのなら、何この娘めっちゃ可愛いじゃんと発見できたのも収穫。

武蔵ちゃん単騎での戦闘を、魔術礼装で補佐するのは楽しかった。
やっぱりゲストサーヴァント1騎での戦闘って面白いよ、うん。

 


シナリオが楽しく、何よりそのシナリオとバトルゲームの噛み合わせが面白かったものの、同時に2部の伏線撒きでシナリオが収束したのは残念。
そこもケン・イシカワの虚無るリスペクトなのかもしれない。

「やってみろ! 蘆屋道満!」

 

<禁忌降臨庭園 セイレム>

雰囲気自体は決して嫌いではない。
のだけれども。

マシュの非戦闘員化という1部の問題と、ホームズのカルデア所属化という1.5部の問題が、見事なまでに浮き彫りになったシナリオ。

従って評価は厳しいものとなってしまう。

 

カルデアとの通信途絶は別に構わない。今までもあったことだし。
「誰が魔神柱か推理/解明する」1.5部の基本骨子と、ホームズは致命的に相性が悪いんだし。これはもう、仕方ない。

だが、明確な非戦闘要員であるマシュを、魔神柱が存在する特異点に連れて行く展開は首を傾げる。

結果、マシュは黒幕と二人っきりになった挙句行方不明になるという(実際は匿われていたわけだが、翻せば匿う必要があったとも言える)非常に危険な状況を生んでもいます。

後ね、水着イベでやったみたいに、マシュに対して編成制限設けろよ、とも思いました。
戦闘をこなせるなら別に連れて行く展開に不安は無いんだからさあ。

この辺が、シナリオとバトルゲームが噛み合っていた下総より評価が厳しくなる点の1つ。
下総ではできていたのに、って気持ちになっちゃうよね。

 

劇中劇は1回だけなら目新しさがあったものの、繰り返すような内容ではなかったな、とも。
又、その劇中劇の裏で絞首刑が実行されていましたという展開が、ますます繰り替えすような内容だったの? という顔になってしまう。

1回だけなら、ミドラーシュのキャスターの深掘りにもなるんだけどね。

三蔵ちゃんみたいなクリア後のおまけ要素ならともかく、本筋で繰り返す内容ではなかったと思えてならない。

 

又、時限式を採用した意図が不明過ぎる。
本筋の進行と合わせたいなら、第○節クリア後24時間で開放とかが妥当なはず。
(もちろんそれはそれで大反対の姿勢を取りますが)

そもそも本筋の進行と合わせるような内容でもなかったし。

 

評価できる点として「降臨者」クラスの実装があります。

冥界のメリークリスマスにおける三代目サンタのマテリアルといい、今後エクステラ系列の存在が実装されそうで嬉しい。
筆頭候補がエリちゃんなのがちょっちアレ。アルキメデスでももちろん大歓迎なのだけれど。

 

「1.5部はどこからでも遊べます」と大嘘を吐いた謎第二段。
最後のレイシフトと言っている以上、セイラムは1.5部ラストへの位置づけが意識されている。

従って、1.5部を配信順以外で遊ぶなら「下総→新宿→アガルタ→セイラム」か、「新宿→下総→アガルタ→セイラム」のパターンしかない。
4!通りの内、3パターンしか遊べないのに「どこからでも」は大嘘に他ならない。何の意図があってこんな嘘を吐いたのか。理解に苦しむ。
(正確には下総はレイシフトではないので、そっちをラストに持ってくることも不可能ではない、か? その場合はパターンが増える)

 

<冥界のメリークリスマス>

明らかに1.5部ではないが、個人的に衝撃が強かったので言及。
とは言えわざわざ別記事に起こす程の衝撃ではない。

その衝撃とは、金星の女神様に実装された「スキルターン遅延スキル」の存在。
スキルチャージがマックスの状態でも、即座に使用不可になるという凶悪スキル。

 

スキルターンの短縮、すなわちスキルレベルの上昇は、FGOのサービス開始当時から想定/設計されていたエンドコンテンツの1つ。

そして、現在でもこの"育成"がエンドコンテンツに設定されているのは明らかでした。
だって相変わらずボックスガチャ以外は渋いし。
メインストーリーが展開されない以上、"育成"終わっちゃったらやることも無いし。

ですが、今回のイベントで設定された「スキルターン遅延スキル」はその"育成"の否定要素を孕むスキルです。

どれだけ短縮したところで、このスキル1回打たれると、次ターンはスキルの使用不可。
じゃあスキルレベルって上昇させる必要あるの? 特に無敵付与とかのスキルレベルに依存しない効果類。

そんな疑惑。
もちろんエンドコンテンツである以上、「上昇させる必要」は存在しません。聖杯と同じく、プレイヤーの自己満足です。

が、その自己満足を否定するのはどうなのよ、と。

これが例えば、サーヴァントの所持スキルなら問題はなかった。そういうものとして対策を考えれば良いんだから。
イベント用に設定された特殊スキルだから、今後もこういうスキルが付与されるんじゃないか疑惑=スキルレベル上げなくても良いじゃん思想につながる。

スキルレベル上げなくて良いなら、苦行をこなして素材を蒐集する理由もありませんからね。

回避手段がアトラス院礼装しか無いっぽいのもネック。対魔力等で弾けるのか……?

 

エレシュキガルの実装は、まあ、来るだろうなとしか。このタイミングって言うのが意外でもありましたが。

それにしてもオタクってプレイアブル化を求めるというか、データベースの構築/補完をしたがる生き物よねぇ。

アグラヴェインに信勝に千子村正にラヴィニア・ウェイトリーに剣ディルにと、ホント、好きよねぇ……。

 

これに関しては色々妄想を繰り広げているので、まとまったら別記事に起こすかもです。

 

<総評>

1.5部は個々のシナリオこそ、首を傾げながらも楽しめる内容でしたが、1.5部と大きく括ってしまうことで、粗が気になるようになった印象です。

面白かったと言った「BBちゃんの逆襲/電子の海で会いましょう!」に関しても、逃げ去った魔神柱を探し出して撲滅するという1.5部の基本骨子を考えると、実は問題が浮かびます。
いや、セラフィックスから連絡来なかったらどうしてたのよ、と。イベントに参加できなかったプレイヤーにとっては、撲滅対象の魔神柱の数が合わないぞ、と。

この問題は、1部では結末が定まっており、各章を経ることでそこに至るように物語が構築されていたのに対し、1.5部は4つ(5つ?)を経ることで至る結末というのが設定されていないからこそ起こったのかな、と愚考します。

個々のシナリオは各作家陣が好きにやった結果(良い点も悪い点も含めて)まとまりの良いものにはなっているものの、それらを1つの作品として発表すると悪い点が余計目立つようになったな、と。

 

一応年末イベントが残されてはいますが、そもそもイベントやるのか?
魔神柱復刻されても困るしなあ。

と思ってたら年末年始に合わせて2部を開始するみたいですね。
本年も宮本武蔵体験クエストという、実質1.5部からスタートしているので、下手にイベントやるよりもFGOっぽい。
セイラムはメインストーリーをイベントちっくに扱う試金石だったのかなあ。

そういう明らかに2部に向けた実験的要素が、隠すことなく散りばめられていたので、2部に上手いことフィードバックされることを願います。

 

1.5部というよりは、2017年のFGOについて。

今年はハード障害/インフラ障害が目立つ年だったかなあ、という印象があります。AWS ハード障害」辺りでググるFGOの事例がそこそこ出てくる程度。
同時に、AWSのハード障害/インフラ障害なんてどうしようもないんじゃないか、と恐怖に震えた記憶があります。

AWSはI/O周りに難があるというのは小耳に挟んだ記憶があるのですが、ググってみたら障害対応も結構手間がかかるというか、意外と障害認定されないという話が読めたりして、ますます恐怖。

結局アレってどういう対応取ったんじゃろ。ハードを交換した上でリストア及びログの反映対応かなあ。対応よりも構築が気になるって方も多そう。
でも、あれだけ時間がかかったのなら対応のほうが気になるじゃろ。

「サーバーは故障するもの、クラウドは障害が起きるもの」という考えは分かりますし、その状況でもサービスを維持できるようにするのが保守の仕事だっていうのは理解できますが、それにしたってハード故障は可哀想過ぎるよぅ。

2018年はもうちょっとインフラ保守に優しい年になって欲しいなと思いました。

つーかやっぱり「立ち上げ当初にインフラエンジニアがいないネットゲーム会社」っておかしいんだよ、うん。
パワーワードだよ。

 

2018年は構築/設計の勉強もしなきゃいけないんだらうなあ。どこから手を着ければ良いんだ。
取り合えずFGOの事例を読み漁るか。

 

 

 

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