11月6日は劇団畝傍座鳳祭公演『新世界より』を通じて学生時代を振り返る。
注意。
予め改めて断っておきますが、
本ブログにおける記事の内容は全て
筆者の偏見と思い込みを言語化したものとなります。
何が言いたいかって、
要するに「作品に対しての感想」ではなく、
「作品を消費した自身に対しての感想」です。
記事を読んで不快になられましても、
それは作品に問題があるわけではなく、
筆者の性格性質性分に問題が有りますので、
その旨をご了承ください。
久々の更新なので、
これぐらいの予防線を張っても許されるはず。
ちなみに私は予防線を読んだ途端に
後続を読む気が失せる畑の住人です。
閑話休題。
現代国文学出身としては有り得ないんですが、
私は『新世界より』を読んだことがありません。
なので、その辺の本歌取りは一切読み取れませんでした。
もしかしたらもったいないことをしたのかもしれません。
個人として"新世界"という単語から想像するのは、
『TERMINATED』ひいては『境界線上のホライゾン』だったりします。
結構強引な関連付けなんですが、
結構この作品には近しい性格もあったんじゃないかな、と思ったりもする不思議。
尤も、この作品における"新世界"が何だったのかは今でも分かりません。
単なる人間宣言以降の世界や、
作品外世界(又は創作世界)ではないとは思うんですがはてさて。
そんな感じで"新世界"に関しての元ネタは一切分かりませんでしたが、
小ネタは多く仕込まれているなあ、という印象。
"マリアとシモン"は恐らく『ゴッド・アーミー』なんでしょうが、
性質的には『花と悪魔』辺りも参考になっているのかしら。
"情報室○○"はFGOの年末祭を思い出したんですが、他の元ネタもあるのかも。
"レイヴンズ"は『コードギアス』かしらねぇ。
ギルドって点で『.hack』かもしれない。
そもそもあの大学で闘争を描くってのが小ネタよなあ。
この時期に戦争による技術発展を一要素に持ってきたのもネタっちゃネタ。
とまあ、小ネタは多過ぎて拾い切れません。
解説欲しくなるね。そういうのされると萎えるけど。
で、だ。
私がこの作品で一番引っかかった点は、
「キャラクターには名前が必要」という終盤の展開。
……そんな言説あったっけ? というのが引っかかった。
キャラクターを担保するのは、テクストの遊離可能性。
言い換えると、"新世界"である他のテクストでも成立する、
同一性こそがキャラクターがキャラクター足りうる条件。
というのが、私の考えです。
同一性さえ保てるのであれば、名前は不要なはず。
「it」でも「名前を呼んではいけないあの人」でも
「愛玩動物」でも、他者との共通認識が築ければそれで良し。
むしろ大事なのは"顔"なはずなんですよね。
顔が判らないことには、同一性は担保できないので。
なので作者は顔を伏せていたんでしょう。作者はキャラクターではないから。
しかし、その点において彼女は「愛されるに足るキャラクター」だったんですよねぇ。
彼女が欲しかった、あるいは拒んだものは何か。
ポイントは彼女が実行した人工心臓の阻害な気がします。
あの行為が、"登場人物としての彼女に与えられたキャラ(役割)"だったのか、
それとも"キャラクターとしての彼女の独断"だったのか。
例えば彼女がパンフの一覧にすら存在していなかったら、
少しは理解しようという気持ちに成れたのかもしれない。
多分それはルール違反なんでしょうが。
そもそもとして愛されるってのが説明できない理屈だしなあ。
世の中には腹パンすることが愛だと宣うクラスタもいらっしゃいますし。
相手の求めることを全て実行してニートに仕立て上げるのが愛なのかって話もある。
何てことを考え始めると、結構『エヴァ』的だったのかなとも思う。
「とっぴんぱらりのぷぅ」「めでたしめでたし」も
「おめでとう」に近しいものがあるように感じてきます。
恐らく小難しいことは考えずに素直に文字通りの解釈をするのが正しいんでしょうが。
キャラクター消費を研究対象にしていた畑の住人としては
「新世界=他テクスト」
「他テクストに向かう為の、登場人物からキャラクターへの昇華」
辺りで捉えておくと収まりが良いのでしょうか。
これ、演者である各役者はどう捉えていたんだろうか。
舞台として結構とっ散らかっていた印象が強いんですが、
役者の向かう先が一致していなかったのも一因なんじゃないかと邪推してしまう今日此の頃。
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