痴レ者につき。

井の中の蛙が、井の中から空を見上げたり、井の中に落ちてきた枯れ葉を眺めては、「これは何だらう」と愚考する系チラシの裏。

プリパラ2ndの感想を吐き出す3月29日。

 表題の通りです。
3/28に最終話を放送した、プリパラ2ndシーズンの感想記事となります。
ネタバレ注意。

 

 

プリパラ2ndシーズンは、最初こそ何をしたいのかが判らずに戸惑いましたが、蓋が閉じてみれば、プリパラ(友達)に傷つけられた少女がプリパラ(友達)に救われるっていうシンプルな構図でした。
あのスタートからこの着地に行き着いたのは中々面白いというか、やっぱりプリパラは3クールで物語を構築しているんでしょうか?

プリパラ2ndは、チームの解散と5人チーム制による、関係性の解体からスタートしました。
せっかく1stで構築した関係性を壊すところから始めるというか、それで再構築に進んだら1stの繰り返しじゃないかという危惧もありましたが、そこは見事に回避。
1stのラストが7人によるライブだったので勘違いしていたのですが、1stで構築された関係性は“ソラミ”と“ドレパ”の関係性であって、各個人の関係性はそこまで描写されてはいなかったんですよね。
精々、みれぃとシオン様の関係性ぐらい? ああ、そふぃとレオナのフラグも1stでしたか。

2ndでは5人チームという、“そらみ”“ドレパ”のどちらかが解体せざるを得ない状況に持ち込むことで、それぞれの関係性を自然に(1stの繰り返しとは感じさせず)描いたかのように感じます。

もちろんその陰には、あろまとみかんの活躍が存在しております。
スタートこそ“ソラミ”“ドレパ”の再結成を妨害するヒール的にも描かれましたが、彼女たちの妨害によってレギュラーキャラクターが関係性を再認識するという物語上の役割をしっかりと果たしました。
そして各チームが再結成を果たした後には、彼女たちの物語が掘り下げられ、その魅力を発揮。
物語の主軸がふわりとひびきに移った後こそ影が薄くなりましたが、その後もヒール系の立ち位置から良い仕事を果たしていたように思います。
みれぃとシオン様が割と直球で思考を進めるのに対し、あろまは搦手が得意な印象がありますね。
バレンタインイベントの妨害は、その最たる例ではないでしょうか。

ふわりとひびきについて。
彼女たちが2ndのキーパーソンであったことは疑いようがありません。
プリパラが嫌いというキャラクターは1stにもいましたが、プリパラを知らない/今のプリパラが好きじゃないというのは、1stにはいなかったアプローチです

中盤においてふわりの活躍はあまり目立ちませんが、プリパラを知らなかったふわりの選択こそが、今のプリパラの象徴例であり、それ故にひびきが直接的な行動に打って出たという役割を果たしております。
そしてプリパラを知らなかった、プリパラが日常に組み込まれていないふわりがひびきの為にプリパラに戻ってきたというのが、ひびきの救いとなったのでしょう。
(もちろん、レギュラーキャラクターの尽力もあってこそですが)

それに対してひびきは、やや狂言回しとしての役割にキャラクターが引っ張られたような印象も受けます。
怪盗ジーニアスの行動と、革命家としての行動が噛み合っていないというか。
や、遅延行為を目的としていたっぽいんだけど、最初からステージに立ってコーデを集めていっても良かったんじゃないだろうか?
ふわりがメンバーとして機能しなくなって焦ったんでしょうかね?
その場合でも、他のメンバーをどうするつもりだったのかは気になるところです。
理由だけなら、「気に食わなかった」で解決するんだけどなあ。

怪盗ジーニアスの目的はやや腑に落ちませんが、そのミスリードっぷりは非常に高評価。
レオナと安藤の存在が、そのミスリードに拍車をかけておりました。
中の人的に女性なのは間違いないんだろうけど、でもわざわざシステム改変とかも企てているし……とか考え出すと、絶対女性だとは言い切れなかったのが辛かった。
正体がバレた時には、素直に女性だったのねと、ホッとした気分にすらなりましたね

そう言えば、セレブにこだわる理由もちょっと分からなかったですね。
アイドルとしての実力があるかないかと、セレブリティって関係なくないか?
セレブリティをスター性・有名度合い的な意味で使っていたのか……?
ひびき自身がお金持ちとしてのセレブでもあるので、どういう意味合いのセレブにこだわっていたのかがハッキリしないのは、今でも気になるところ。


あじみ先生について。
あまり語りたくないというか、スタッフは何を考えていたんだ何も考えていなかったのか?
こういうキャラクターに重要な設定が付与されるはずもないという盲点を狙ったのか、こういうキャラクターなら重要な設定を語らなくとも仕方ないという説得力を狙ったのか……。
地味にコスモさんとの旧知の仲という設定は、今後にも活かせる気がして、忘れてはならないポイントな気がします。
あじみ先生もレインボーライブとの関係があるかもしれない?
セインツの設定も、まだ活きていましたしねー。
セインツのひとりがなるちゃんなのだとしたら、コスモさんとあじみ先生は何かしらの影響を受けていてもおかしくはないでしょう。

ファルルについて。
1stに引き続き、キーパーソンとして機能。
ある点においては、ふわりよりも重要な役割を果たしていたでしょう。
しかし、1stで仕合せになったかに見えたファルルが、2ndで不仕合わせを知るというのも悲しい話
もちろん、「夜は孤独」という、らぁらに向けた発言です
ひびきがボーカルドールになれば、ファルルは夜を寂しく過ごさなくても済む。
その欲求や不安を振り切って、ひびきを救ってとらぁらに託したのはとても素敵な構図ですが、ならファルルは誰が救ってくれるのやら
その決断に至る理由も、ふわり(昔の女)に説得されたからというのが悲しい。
魔法使いの仕合わせを望んで、自らの仕合わせを譲ったわけですからね……。
2ndは結構、ファルルに厳しかった気がします。

と言うか、ひびきのボーカルドール化が可能なら、ファルルの肉体付与は無理だったんだらうか。
我ながらさすがに無理があるなと思いましたごめんなさい。
しかし、ひびきが改変した「夜でもアクセス可能」のルールまで(恐らく)バグとして修正してしまったのはちょっと不満。
プリパラにいるアイドルの平均年齢は分かりませんが、全員が条例に引っかかる年齢とは思えない。
なら彼女たちは夜でもアクセスできるようにしたら良かったのに……。
ニコンとは合流できましたが、ガァルルはパラ宿に残っちゃいましたし、この辺りの救いがなかったのは非常に気になってしまいます
それが理由でヨーロッパラに戻ったというのはさすがに捻くれた見方ですが、しかし何とかできなかったものか。

1stでも感じましたが、プリパラはボーカルドールの設定を持て余しているような気がします。
3rdはどうなることやら。




総評として。
やっぱりキャラクターの物語であり、そして魅力的なキャラクターを追加したことで既存のキャラクターが光るという相乗効果を発揮した、良作でした。
特にみれぃのメインヒロインっぷりと、らぁらのエスコートヒーローっぷりが、見ていて心地よいカタルシスを生むに至っています。
1stでは大神田校長なんてという態度を取っていたキャラクターが、2ndではひびきを救おうと自発的に動く変化は、シリーズ物ならではの面白さでしょう。

また、2ndは関係性の変化を重視していた影響か、露骨にカップリング描写が増えたのも、個人的には満足です。
最終回のひびきとふわりはただのカップルにしか見えませんでした。
また、あろみかの大正義っぷりは、3rdにも期待したいところです
らぁらとみれぃは……どうなるかなあ。

手放しで全部良かったとはなりませんが(特にファルル関連)、一年間を楽しませて頂き感謝です。3rdも楽しみ。

つーかもう三年目になるのか……。時間が経過するのは早いなあ。