痴レ者につき。

井の中の蛙が、井の中から空を見上げたり、井の中に落ちてきた枯れ葉を眺めては、「これは何だらう」と愚考する系チラシの裏。

私見・最初に観る『平成仮面ライダー』の選び方

 今週はTwitterで、『平成仮面ライダー』オススメ論議が盛り上がっておりました。どれが好きだとか、どれから観るのがオススメだ、とかです。
その流れに便乗して、自分もどの『平成ライダー』から観るべきかで記事を書いてみようかと。
要するにn番煎じです。

 

 


さて。
平成ライダーをどれから観るべきかなんて、本人が気になった作品から見れば良いじゃないか、というのが正解な気がします。
ニチアサのTLが楽しそうだなあという理由であれば、今やっている『ゴースト』を見るのが最良でしょう。
佐藤健のファンになったから、『電王』を見る。それもアリだと思います。
清水富美加に惚れたから、『フォーゼ』を見るってパターンも有るでしょう。
あるいは、杉田智和のファンだから『キバ』を見るっていう、声優目的も考えられます。
知人にオススメされてるから――という理由なら、その知人イチオシの作品から見ると、一緒に楽しめますよね。
腐女子腐男子にすすめられてBL目的で、なんて理由でも構わないと思います。
美味しい作品、ありますよ?

 

とまあ、そういうわけで。
「気になった作品から観ろ」というのが僕の見解なわけです。
ですが、「平成ライダー」全般に興味を持って、最終的には全部見るかもだけど、最初の一作をどうして良いか分からない、みたいな方もいらっしゃるんでしょうか。
クウガ』から順番に見るってのも一考ですが、『平成ライダー』はそれぞれが単独で完結しているのも強みの一つ。
(劇場版を含めればその限りではありませんけど)
そういう意味では、何から観たって構わないというのが、『平成ライダー』シリーズの特徴とも言えるわけです。

ですのでこの記事では、その取っ掛かりを紹介する記事を目的としております。
上記で挙げたように、「『フォーゼ』って福士蒼汰が出てるんだな。じゃあこれから見てみようかな」みたいな取っ掛かりです。
作品ごとの特徴を書き連ねるだけの記事とも言えます。

前置きが長くなりましたが、以下、紹介です。
順番は、放送が近いものから並べておりますです。



 

 


仮面ライダーゴースト』

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幽霊仮面ライダー。現在放送中。それ故に、物語の点でオススメできるかは現段階では不明。

主演の西銘駿をはじめ、若手俳優が多いので、彼らの演技成長ぶりをリアルタイム感覚で楽しめるのも特徴の一つでしょうか。
他にも、竹中直人の(アドリブを含む)怪演であったり、悠木碧が声を当てているマスコットキャラクターの存在も挙げられます。

 

脚本家には福田卓郎を起用。TRICKとか、警部補矢部謙三とかに参加していた方です。



物語的な特徴は、前述しているようにハッキリとしていない部分も多いものの、
「命とは何か」「基本的に一度しか無い人生をどう生きるか」が焦点に当たっている感じ。

正義と悪の構図は、眼魂というアイテムを争奪する陣地毎に敵味方が分かれております。

展開的に死者蘇生が行われても不思議ではないので、「ファンタジーでも死者蘇生はちょっと」という方には難しい作品かもしれないです。

そこを受け入れられるなら、かなりのオススメ作品。

異種交流からの友情が、既に垣間見えていたりしますしね。

 

 

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仮面ライダードライブ』

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刑事仮面ライダー。でもバイクには乗らない。乗るのは車。

キャスト的な点では、ヒロインを務めた内田理央の露出が最近増えている感じでしょうか。主演は、『下町ロケット』にも出ていた竹内涼真。
他だと、片岡鶴太郎や飯田基祐といった俳優も起用されていますね。
個人的に、飯田基祐の演技は一見の価値ありです。
車からのラジオDJつながり(?)で、声優の一人にクリス・ペプラーが起用されているのも面白い。

正義と悪の関係は、刑事=仮面ライダーと、犯罪者=ロイミュード(人造人間)の敵対関係。
物語のテーマ的には、「ロイミュードは生まれながらにして悪なのか」「和解できる道はないのかの模索」といったところでしょうか。
また、もう一つの大きなテーマとして、「父親超え」も挙げられます。
少年が父親を超えるという成長物語は、王道ながら燃えるものがりますね。

個人的な見どころは、サブライダー二人の関係性
稲葉友演じる剛と、上遠野浩平演じるチェイスがの関係性が変化していく様は、非常に美しく描かれておりました。

 

 

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仮面ライダー鎧武』

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戦国武者とフルーツをモチーフにした仮面ライダー。平成でも屈指のファンタジー路線。

キャスト的にはアスリート系俳優としてしばしば見かける佐野岳に、ボイメンの一人であり歌ってお菓子がつくれる小林豊、ファブリーズのCM等で見ることが多い高杉真宙辺りが分かりやすいでしょうか。
野岳のアクションシーンに、"あの"小林豊の厨二系演技、高杉真宙の影のある演技等、演技面での見どころもバッチリです。
芸能人枠には、ぐっさんこと山口智充が起用。

 

また、脚本家に虚淵玄を起用している点が話題になったりもしました。

個人的には単発を一・二本やってからシリーズに参加させれば良かったのにと思ってもしまいますが……後の祭りか。

正義と悪の関係は、結構ごちゃっとしております。強いて言うのなら、「大人が悪」でしょうか。
みんな悪巧みしているような作品です。それ故に主人公の愚直さが光る作品でもあるのですが。
というのもこの作品、仮面ライダーがいっぱいという特徴があるのです。
怪人のきぐるみをつくる代わりにライダーのスーツをつくってるぐらいに、仮面ライダーの比率が高いのです。
確か怪人の総数が過去最低値だったような。

なんでそんなことになっているかというと、物語的には「何でも願いが叶う禁断の果実」を求めて、それぞれの仮面ライダーが潰し合うというお話だからです。
怪人と仮面ライダーの敵対関係ではないんですよね。
「正義とは何か」「力とは何か」「責任とは何か」その辺りがテーマとなっている感じでしょうか。

映像面でも結構挑戦的というか、それまでに見ない演出が随所に見られるので、そういうのを楽しみに見るのもアリかもしれないです。

 

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仮面ライダーウィザード』

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魔法使い仮面ライダー。魔法の指輪をはめているので、決してパンチは使わない。くるくる回って剣戟を繰り広げる様は華麗の一言。

キャスト的には、彼岸島花子とアンに出ていた白石隼也に、アスリート系俳優として見ることが多い永瀬匡が起用。
ヒロインの奥仲麻琴ダンガンロンパの舞台に出ていたりもするんですが、これって伝わらないよなあ。
後は、小倉久寛KABA.ちゃんが起用されていますね。

正義と悪の関係は明確で、仮面ライダーとファントム(怪人)の敵対関係。
人々を絶望させてまわる怪人を、仮面ライダーが倒して希望を守るという構図になっています。

テーマとしては、「絶望とは何か」「希望とは何か」「他者の希望を守る主人公の希望は誰が守るのか」
仮面ライダーがどうして人を助けるのかを掘り下げる作品でもあり、そういう点では早めに観たい作品かもしれないです。

上でも書いておりますが、仮面ライダー変身後の殺陣が、カメラワークも相まって非常に格好良いです。
多用し過ぎてちょっと単調にも思えてくるのが残念ですが、それでも格好良いことに変わりはない。
後は、ヒロインが可愛いよ! 超カワイイよ!

 

 

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仮面ライダーフォーゼ

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宇宙服仮面ライダー。高校生仮面ライダー。ドリルキックはよく考えると結構エグい。

福士蒼汰清水富美加という、今でも露出が増えている俳優を起用している作品。
高橋龍輝テニミュリョーマ役を務めていますし、吉沢亮あぶない刑事にも出ました。
若手俳優に恵まれた作品かもしれないです。
福士蒼汰のリーゼント姿とか、結構レア映像なんじゃなかろうか。

正義と悪の関係は、仮面ライダー部と謎の敵組織といったところ。
怪人も望んで怪人になった者ばかりではなく、そこに至った理由を理解したりする青春物語も見どころの一つでしょう。

物語の構図は、学校のお悩み解決クラブといった感じ。
学校内の、怪人関係のトラブルを解決し、主人公が友達を増やしていく。
結構王道な学園物語を展開していたように思います。

テーマは「友情」の一言に尽きるでしょう。

個人的に、『フォーゼ』は劇場版の演出が素晴らしいと考えております。
と言うか、劇場版無しでは『フォーゼ』の魅力は語れない。
劇場版を見るために本編を見る、そんな選択肢があっても良い程度に、映画は良かったです。

 

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仮面ライダーオーズ

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三分割仮面ライダー。歌は気にするな。腕の武装も気にするな。

キャスト的には、大奥や進撃の巨人に出た渡部秀と、るろ剣に出ていた三浦涼介が主演です。
ヒロインの高田里穂も、TVドラマでチラホラ見るでしょうか。
有名ドコロは宇梶剛士ですね。
声優枠だと、ゆかなや入野自由が演じていたりします。

正義と悪の関係は、メダルの怪人と、それに抗う人々の構図。
オーズのベルトはよく分かりませんが、バース(サブライダー)のベルトは現代人が開発したという設定が中々に憎い。
人々を守るためではなく、あくまでもメダル研究の一環としてつくったっぽいのがさらに素敵。

物語としては、メダル争奪戦に尽きますね。
グリード(怪人)がメダルを手に入れれば、その怪人が強くなってしまう。
主人公が手に入れれば、そのまま主人公の戦力になる。
将棋の駒のように、行ったり来たりするメダルの動きが面白い作品でした。
他にもメダルを手に入れるために人間と組む怪人が現れたり、怪人同士で足を引っ張り合ったりするのも面白い点です。

テーマは「欲望の是非」「命とは何か」辺りでしょう。
人を助けたいっていうのも、結局は個人の欲望なんだよなあ
また後者は、無機物であるメダルで構成される怪人という設定だからこそ描けたもののようにも思えます。

三浦涼介演じるアンクと、他のキャラクターの関係性が変化していく様も楽しいです。
他にも、偉大な男の背中を見て育つ後藤慎太郎の物語も必見です。

 

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仮面ライダーW

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二人で一人の仮面ライダー。二分割ライダー。探偵ライダー。ハーフボイルド。

キャスト的には、花ざかりの君たちへ(2011)に出たり、傘をもたない蟻たちはで主演を務めている桐山漣
暗殺教室に出たり、ちゃんぽん食べたかっ! で主演を務めた菅田将暉によるW主演。
劇場版には吉川晃司や松岡充に、杉本彩も出たりしています。
さらに、なだぎ武になすびに腹筋善之介に、板野友美河西智美にと中々濃いメンツが揃えられています。
声優枠というと語弊がありますが、作中アイテムの音声に立木文彦が起用されているのも面白い。

正義と悪の関係はちょっと面白く、私立探偵(+刑事)な主人公が、ガイアメモリ犯罪に立ち向かうというもの。
ガイアメモリは人間を怪人に変えるアイテムであり、それの破壊・回収を目的としているのが、ただ怪人を倒すのとは異なる構図を構成しています。
何故ガイアメモリ犯罪に走ったのか、その動機探しも面白味のひとつになっているんですよね。

物語としては、そういうひとつひとつのガイアメモリ犯罪を解決しつつ、ガイアメモリ犯罪の元締めを探るというもの。
その過程で、菅田将暉演じるフィリップの記憶が探る、というものもあります。

全体的なテーマは「家族(愛)」辺りでしょうか。
どちらかと言えば、ひとつひとつの事件にそれぞれ小さなテーマが設定されていたような印象を受けます。
裏のテーマとしては、「麻薬駄目絶対」もありそうです。バードドーパントはトラウマになってもおかしくねぇぞ。

二話完結のスタイルや、ひとつひとつの事件を丁寧に解決していくスタイルのため、非常に見やすいつくりであったように記憶しております。
個人的に、最初に観たい平成ライダーとしてはトップかも

 

 

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仮面ライダーディケイド

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歩く仮面ライダー辞典。ラスボス不在。仮面ライダーに変身する仮面ライダー

キャスト的には、牙狼ダンガンロンパの舞台に出ている井上正大。
乾杯戦士アフターVや俺旅。に出ている村井良大
いつかティファニーで朝食を等に出ている森カンナ等。
声優枠には沢城みゆきが起用されています。

正義と悪の関係は、時と場合で変わるのでお口チャック。
物語に関しても同様。

と言うのもこの作品。平成ライダー10周年記念で制作されたお祭り企画のようなものであり、それまでの平成ライダーを観ていないとよく分からない、セルフパロディをふんだんに詰め込んだ作品なんですよね。
そういう背景もあって、最初に観る作品としては不適当だと断言しちゃいます。
(あくまでも個人的な意見では、ですが)
話数が短いので、『ディケイド』を見て、気になったデザインの作品を観るとかでも良いのかもしれません。

 

 

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仮面ライダーキバ

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蝙蝠モチーフの仮面ライダー。昼ドラ。種族設定が地味に面白い。

キャスト的には、僕の大好きな番組グレーテルのかまどに出ていた瀬戸康史
ホテルコンシェルジュに出ていた武田航平のW主人公。
さんすう刑事ゼロや花子とアンに出ていた加藤慶祐も出演しております。
他にも、遊☆戯☆王ZEXALで声優をこなした山本匠馬も俳優として出演。
声優枠には杉田智和石田彰が起用されています。特に杉田智和は、結構喋ります。

正義と悪の関係は、ファンガイア(怪人)とそれに対抗する人々。
しかし、主人公が変身する「キバ」は、どうやらファンガイア側の存在だと人間には認識されていて……みたいな謎も含まれています。

物語としての特徴は「昼ドラ」に尽きてしまうのですが……。
主人公の父親が過去に行った影響が現代に現れており、過去と現在の両方の物語が描写されることで謎が解決したり、深まったりする構成を取っております。
過去も現在も、ヒロインの取り合いをしているので、どうしても「昼ドラ」という印象が拭えないのが、やっぱり『キバ』の特色でしょう。

テーマとしては「人類愛」「異性愛」「愛とは何か」が挙げられます。
本当に、最初から最後まで愛とは何かを訴え続ける作品でございました。

地味に、引きこもりがちな青年が社会復帰をしていく成長物語としても観ることができたりするので、そういう視点で見るのも面白いかもですね。
人と人との出会いって、大事です。

 

 

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仮面ライダー電王

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電車モチーフの仮面ライダー。ダサカッコイイ。地味に難解な設定。

キャスト的には、今さら語るまでもない佐藤健を主演に起用。
他にも、秋山莉奈石丸謙二郎等も出演されています。地味にムロツヨシが出ていた回も。
声優枠がとても豪華な作品でもあり、関俊彦遊佐浩二、てらそままさき、鈴村健一大塚芳忠三木眞一郎等が起用。

正義と悪の関係は、主人公に味方しているか、敵の幹部に味方しているかといった感じ。
上記の声優陣が声を当てているイマジン(怪人)は主人公に味方しているため、怪人=悪ではないのがポイントでしょうか。

物語としては、「時間を破壊する」怪人を倒して「時間を守る」物語であり、仲間との友情を通じて主人公が成長していく物語でもあると思います。
テーマをハッキリさせるのは難しいんですが、結構シリアスな恋愛が描かれていたのも特徴でしょう。

タイムトラベル・タイムパラドックスを扱っているため設定が難解になりがちなのがやや残念な点でしょうか。
特筆すべきは声優陣が演じる個性的なキャラクターによるコミカルな雰囲気
シリアスな物語でありながら、その進行には重苦しさが伴わないというバランスが素敵です。
また、主演の佐藤健の演技も第一話時点でクオリティが高く、安心して見始められるのもポイント高しです。

 

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仮面ライダーカブト

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カブトムシ仮面ライダークロックアップ。料理対決。シュールコメディ。

キャスト的には、水嶋ヒロ加藤和樹山本裕典等、こちらも今更語る必要が無い方々が起用されております。

正義と悪の関係は、人間を殺して擬態するワーム(怪人)とそれを倒す組織、そしてどちらでもないフリーの仮面ライダーという、三角関係のような構図。
物語としては、何故組織に属していない主人公が仮面ライダーのベルトを持っていたのかという謎を探りながら、怪人を倒し続けるというもの。

怪人が人間の記憶を奪って、そのまま代替して生活していくという、すなわち隣にいるのが怪人かもしれないという恐怖を漂わせ続ける演出が素晴らしい作品。
また、クロックアップという人間の目には止まらない高速戦闘を繰り広げる設定も加味して、「気づかないところで仮面ライダーが戦っているかも」「すぐ横に非日常はあるのかも」という演出が憎い。
……んですが、どこまでいっても『カブト』の評価は料理なんでしょう。
『電王』が雰囲気コミカルだったのに対し、『カブト』はシリアスな雰囲気で真面目な顔して、真面目に考えるとおかしい言葉をポンポンと発言するという可笑しみがあります。
「闇の料理人」なんて単語が、さも当然のもののように出てきたりします。

面白いことは面白いんですが、そういう「ノリ」に慣れないとついていくのは大変かもしれないですね。
クロックアップ戦闘は、仮面ライダーの造詣も相まって非常に格好良いので、是非。

 

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仮面ライダー響鬼

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鬼の仮面ライダー。車移動。修行シーン。

キャスト的には、主演に細川茂樹を起用したのが最大の特色でしょう。
また、龍馬伝沖田総司を演じた栩原楽人もメイン起用されています。

正義と悪の関係は、シンプルに魔化魍と呼ばれる妖怪を倒す仮面ライダーという構図。
物語もそれに尽きるのですが、その仮面ライダーの活躍を見て少年が何を思うか、というのに焦点があてられております。
したがって、テーマは「少年の成長」でしょう。

響鬼』における仮面ライダーは、人間が鍛えることによって変身したという設定なため、仮面ライダーの造詣にやや特徴がありますね。
筋肉のように見えるスーツとか。
また、上記の設定のために、修行シーン(筋トレシーン)が多々挿入されるのも特徴。

結構面白い作品ではあるものの、作品の方向性にブレが目立ち、というか実際途中でプロデューサー・脚本家が交代しているため、作品の雰囲気が一貫していないのが残念な点。
だからと言って観ないのはもったいない作品であることには違いがありません。
バチを振り回すアクションは、独特の味がありますしね。

 

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仮面ライダー剣

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職業仮面ライダー。トランプ。オンドゥル語

キャスト的には、あんまり有名になった方は多くない……のか?
ラブライブが好きな椿隆之、刑事ドラマでしばしば見かける森本亮治雛形あきこと結婚した天野浩成、ゼクシィのCMに出ていた北条隆博等。やっぱりちょっと弱いかなあ。
と言うか、北条隆博って俳優業引退してたのか。ちょっとショック。

正義と悪の関係は、単純にアンデッド(怪人)と仮面ライダーの対立関係ではなく、アンデッドを利用する人間や仮面ライダーを利用する怪人等も出てきたりと、やや複雑。
それ故に仮面ライダー同士が戦い合うこともしばしばです。

テーマは「人とそうでないものの違い」辺りでしょう。
と言うのもこの作品、アンデッド(怪人)に生まれながら人の心を得てしまった存在が結構な数でいるんですよね。
彼らを倒すべきなのか、和解の道はないのかと苦悩するパートも見どころのひとつ。
そこで自ら倒されに行く怪人の存在とかね、実に良いですよ。

カードを使って必殺技を繰り出すのは、結構ワクワクするものがあります。
敵を倒すと使えるカードが増えるため、それによって新しい技が使えるようになる演出もグッド。
序盤は役者の演技(と言うか滑舌)がびみょいので、そこはマイナスポイントかもなあ。
最終回は実に「平成ライダーらしい」選択となっているので、必見ですの。

 

 

 

 

 




仮面ライダー555

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携帯電話で変身。夢。三本のベルトの物語。死を超越したが故に死を恐れ。

キャスト的には、サブカル(?)に造詣の深い半田健人を起用。
また、刑事ドラマに多数出演されていた泉政行も出演されていました。
すべてがFになる等に出演されていた綾野剛が、今では結構な有名ドコロでしょうか。

正義と悪の関係は、人間として生きようとする者と、オルフェノク(怪人)として生きようとする者の対立構造。
この作品の怪人であるオルフェノクは、人間が(死を超越して)進化した姿として設定されてるため、一概にオルフェノク=悪と言えないのが面白い。
オルフェノクが人間を殺して回るのは、ある意味では人間を進化させようと言う彼らにとっての「正義」的な行いでもあり。
他のオルフェノクが人間を殺すのだから、オルフェノクは問答無用で信用出来ないとする人間が出てくるのも自然。

テーマは「誰を信じるのか、何を信じるのか」「夢の残酷性」「歪んだ愛情」辺りでしょうか。
前述の通り、オルフェノクとの和解を目指す陣営にとっては、オルフェノクを倒そうとする人間ですら敵の構図になってしまうため、誰を信じて良いのかの苦悩を楽しむことができる作品でもあります。

物語は、「ベルトの物語」。と言うのも、『555』における仮面ライダーは条件さえ満たせば誰でも変身できる存在であり、誰がそのベルトを所持しているかで、仮面ライダーが正義の存在にも悪の存在にも成り得るという構成になっています。
仮面ライダーは、変身シーンさえ見られなければ誰が変身しているか分からないため、そういう誤解も結構起きてます。


全体的にずっと重く、シリアスな展開が続くのも特色のひとつでしょうか。
また、一人が複数仮面ライダーに変身することもあるのですが、その際にちゃんと演じ分けができている、スーツアクターすげぇとなる作品でもあります(同じ仮面ライダーでも、アクトが全く違うんですよね)
仮面ライダーの演技」を楽しむなら、『555』はかなりオススメできる作品ですね。

 

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仮面ライダー龍騎

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カードバトル。バトルロワイヤル。サバイブ系。この戦いに正義はない

キャスト的には、八重の桜や花燃ゆに出ていた須賀貴匡と、NHKの旅番組でよく見る松田悟志のW主演といった感じ。
また、津田寛治が有名ドコロって感じでしょうか。

正義と悪の関係は存在せず、それぞれの仮面ライダーが自分の願いのためだけに闘うというのが最大の特色。

テーマは「正義というエゴ」辺りでしょうか。
この作品は13人(本編では10人)の仮面ライダーが登場し、それぞれの仮面ライダーが自分の願いを叶えるために他の仮面ライダーを殺そうとします。
仮面ライダーを殺さず、モンスター(怪物)だけを倒すにしても、それは対処療法でしか無く、闘いそのものを終わらせるには勝者が必要という構図。
したがって、誰なら犠牲にできるのか、という苦悩が付き纏う作品でもあります。
「多くを救うために一つを犠牲にする勇気」は、作中で否定されるものの、この作品を象徴する信条でもあると感じます。
尤も、数の大小ではないのが人間なんですけども。

カードを使って闘うという試み。第一話からダークヒーローが登場する構図。
正義とは決して善性に基づくものではない、むしろ他者に犠牲を被らせるという点で悪性かもしれないという指摘が面白い作品
最初に観るべきか、と問われると難しくもありますが、絶対に観ていただきたい作品であることは間違いないです。

余談ですが、『龍騎』の夏のギャグ回がとても好きだったりします。
最終話まで観た後で夏のギャグ回を観ると、面白いのに泣けるんだよなあ。

 

仮面ライダー龍騎 Blu-ray BOX 1

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仮面ライダーアギト

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超能力者。人間の可能性としての仮面ライダー。人は神に抗うべきではないのか。

キャスト的には、刑事ドラマでよく見かける賀集利樹、今でも様々なドラマで目にすることの多い要潤が有名でしょうか。
実は秋山莉奈も出ていたりします。
声優枠では、三宅健太やくじらが起用されていますね。

正義と悪の関係はシンプルに、アンノウン(怪人)と、それと戦う仮面ライダーの構図。
ただし、この作品の怪人は無差別に人間を襲うわけではないため、特定の人間にとっては必ずしも悪ではなかったりするのが特色でしょうか。
殺される側としては安心できる要素ではないんですけどね。条件わからないですし。

テーマは「謎解き」「人間の可能性」「神をどう認識するか」辺りでしょうか?
物語の特徴としては、非常に多くの謎が張り巡らされ、それを解き明かすとまた新たな謎が浮かび上がるという構成を取っております。
また「既に仮面ライダーである男」「仮面ライダーになろうとする男」「仮面ライダーになってしまった男」の三人の仮面ライダーを主軸にしているのもポイントでしょう。
それぞれの仮面ライダーに対する姿勢が違うため、思想のぶつかり合いにつながったりもするのが楽しい。
仮面ライダーとは決して単一の概念(正義のヒーロー)ではないんだと、認識させてきます。

強大な敵に立ち向かおうと、人間が進化しようとし続ける姿勢が実に胸を打つ作品。
平成前期らしさも兼ね備えてるため、最初に観るべき作品落としてはかなりオススメです。

 

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仮面ライダークウガ

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A New Hero. A New Legend.笑顔と泣き顔。

キャスト的には、何と言ってもオダギリジョーでしょう。
個人的には葛山信吾も推したいところ。と言うか、彼もドラマやり続けてますよねえ。
他にもきたろうとか出てますよ。そう考えると、実力派揃い……?

正義と悪の関係は、平成ライダーでトップレベルにシンプル。
グロンギ(怪人)が悪。仮面ライダーが正義。それを支える人間も正義。

テーマは「笑顔」仮面ライダーが仮面をつけて戦う理由」辺りかな。

物語としては、謎の怪人集団と戦う人々と言ったところ。
仮面ライダーが一人しかおらず、彼をサポートするのはあくまでも人間というのが良い味を出しています。
警察が有能なんですよね。あくまでも普通人の枠からは抜けられないのに、それでも人々を守ろうとする彼らは間違いなくヒーロー。

雰囲気としては、結構なシリアス寄り。と言うか、グロンギが怖い。
自分が観た年齢のせいもあるんでしょうが、トラウマに近い殺人シーンもあります。
被害者が殺されるシーンをちゃんと描いてしまうんですよねぇ。
物語にリアリティは生まれますが、同時にリアルな恐怖も覚えてしまう。
映像の強さを感じさせる作品です。ホラードラマ的に観るのも楽しいかもしれない。

最初に観るべきかって考えると、一番難しい作品かもしれないです。
クウガ』から始めて、歴史を追っていくも良し。
クウガ』をラストに持っていって、「仮面ライダーとは何か」を考えても良し。
もちろん途中に挟んで楽しむのも良しでしょう。

 

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以上。
書いてて思いましたが、これwiki見たほうが早いわ。

ただ、キャストから観る作品を選ぶってのは結構アリだと思うんです。
テニミュから興味を持ってとか、ドラマ・映画で特定役者ファンになって、仮面ライダーに触れる。
そして他の仮面ライダー作品も観るようになる。
すると、また別の役者のファンになるっていう、幸福なループが楽しめたりもしますよ。

事実、僕は小林豊のファンになっちまいましたからねぇ……。
恋するスイーツレシピの新作、楽しみにしております。