痴レ者につき。

井の中の蛙が、井の中から空を見上げたり、井の中に落ちてきた枯れ葉を眺めては、「これは何だらう」と愚考する系チラシの裏。

今更感ある『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想

 以前の記事から早一ヶ月も経ってしまいました。
仕事が忙しいんですよね……心を亡くすとはよく言ったものです。
こうして社会人は病んでいくんだなあ。

そんなこんなでブログ移行してから初の記事は、
今週頭に最終回を迎えた『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の感想です。

ネタバレ前提ですのでご注意くださいませ。

 


 とは言っても自分、ニンニンジャーは結構見逃してる回も多いんですよね。
なのであまり正確な記事は書けないなあ、というのが本音。

それでも一言で感想をまとめるなら、

『如何にして父親を殺すか(超えるか)』

という一点にテーマが絞られていたんだなというところ。



人間関係が複雑にも思えるニンニンジャー。
しかし、ラストニンジャになれなかった父・旋風。
現ラストニンジャであり師匠でもある祖父・好天。
そして、旋風を倒し、ラストニンジャを狙うライバル・九衛門。
実はこの三人、全員がそれぞれニンニンジャーにとっての「父」の機能を果たしているんですよね。

旋風は文字通りの父。
好天は、師弟関係としての父。
そして九衛門は、その父である旋風と好天を倒した、仮想敵としての父。
(九衛門を倒すことが、九衛門に負けた父を乗り越えた証になる)

九衛門が幻月の実子であることが明かされたことで、この「父殺し」の命題が明確になったようにも思います。
九衛門は好天を殺すことで、師弟関係としての父は乗り越えたものの、実親である幻月を超えることはできなかった。
正確には、乗り越えた時には手遅れだったというべきなんでしょうか。

それに対してニンニンジャーは、九衛門を倒したことで旋風に対しての「父殺し」を達成したのです。
また、師匠殺しを掟を破り、終わりの手裏剣を消滅させたことで、好天に対しての「父殺し」も達成した、と。



但し、こう捉えてしまうと、果たしてニンニンジャーは「父殺し」を達成できたのか? という疑問が残ります。
と言うのも、師匠を殺して終わりの手裏剣を継ぐのがラストニンジャの掟であるならば、結局九衛門を倒したニンニンジャーは掟からは外れられていないのではないか、という疑問ですね。
九衛門の命を奪ったわけでもなければ、忍タリティを奪ったわけでもないので、そういう意味ではセーフなのか……?

個人的な気持ちとして、真っ当な方法(?)で「父殺し」を達成したわけではないので、
ニンニンジャーは『父殺しを回避することで父を乗り越えた作品』と形容したいところです。

「父殺し」と「父を乗り越える」って同じ意味じゃねぇのかよ、って我ながら突っ込みどころ満載ですけどね。



他だと、ロボットのデザインが非常に好みというか、面白いなあって感じました。
カラクリが操作している感じのカラクリ、良いよなあ。
前作トッキュウジャーのロボットも変わっていましたし、次作ジュウオウジャーのロボットも中々ユニークで、最近の戦隊ロボットは結構攻めてきてるなあと感じます。
何よりも、変身玩具とギミックを共有しているのが良いですね。
プレイバリューは大事。重要。

また、魔法ニンジャとか、UFOマルとか、そもそも「忍びなれども忍ばない・パーリナイッ」という何でもあり感を前面に出してくれたお陰で、
仮面ライダーゴースト』の「えっ、お前英雄か?」「偉人であることは認めるけど、何故お前をチョイスした?」感が薄れているのもポイントでしょうか。


そんな感じで『ニンニンジャー』雑感、終了でございます。
前述しているように抜けている話も多いので、何とかして補完したいところです。



ああ、『ニンニンジャー』に関してはもう一点評価したいものがありました。
と言うのは今作、赤色が中心ではあったものの、赤色の物語にはならなかったんですよね。
徹頭徹尾(だと思う)、家族の物語として進行したのはポイント高いです。
赤色の物語も嫌いではないんですけど、戦隊ものなんだから戦隊の物語であった欲しいものです。
蛾眉雷蔵で不安になったりもしたんですが、そういう方向に着地しなかったのは嬉しかったです。

 

 

手裏剣戦隊ニンニンジャー 変身忍刀 忍者一番刀

手裏剣戦隊ニンニンジャー 変身忍刀 忍者一番刀