感想『劇場版仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』
やっほほーい! 日谷さんです。
ずいぶんとご無沙汰しておりました。
プレミアム期間が切れ、どうせ旅行に行くから更新しなくて良いやと思っていたら、帰宅後面接が入ったり風邪を拗らせたりとズルズル長引いてしまいました……。
色々と書きたいこともあるのですが、取り敢えずは本日鑑賞してきた『劇場版仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー』の感想を投げませう。
例によって例の如く、ネタバレ前提ですのでご注意くださいませ。
取り敢えず、観劇中に気になった点を挙げていきます。
・ベルトさんの暴走理由が不透明。
ex)考えられるのは、「本当にクリムの仕込み」「蛮野の仕込み」「偽エイジの仕込み」タイミング的には三番目だらうが、あんな短期間で干渉されるほどドライブドライバー及びトレーラー砲のセキュリティは甘いのか? 一番目と二番目なら、大落雷の日と重なっているのは都合が良過ぎねぇ?
・古葉の発言が謎すぎる。
ex)「トレーラー砲の想定外の出力」に対して、「使用者の問題」発言等。
・(上記と関連して)警察の方針の謎。
ex)「未来の」という情報を伏せて、「封印されているロイミュードを復活させようと、ロイミュードの一体が黒い仮面ライダーになって暴れている」という説明で良いはず。そも、仮面ライダーが現実のセカイで、非現実的云々の話をするなよ、と。
・ベルトさんからのエイジの評価。
ex)エイジが撃たれた際、ベルトさんはその真偽が判断できなかったのだらうか。トライドロンキーを渡した時点では、疑念があったはずなのに。
・三面戦闘の、時間経過描写。
ex)特に、チェイサーvsネクストビルダーが間延びしていた印象。かと思えばシンゴウアックスの待機時間が省略されたり。
・ドライブ変身時の、タイプトライドロン。
ex)ベルトさんが干渉されているのに、初っ端からベルトさんが自由に身体を動かせるようになるタイプトライドロンを選ぶ二人がちょっと気になる。
・小道具の見せ方
ex)手紙が地図だって分かりづらかったのと、シフトネクストスペシャルが表裏一体ってパンフ読むまで分かんなかったよスペシャルのシフトカーってどこから来たんだとか考えちゃってたよ。
・特殊メイクの差
ex)剛もダークドライブが引き起こした爆発の近くにいたはずだよな? ちょい軽傷じゃね? チェイスに関しても、進之介のほうが重症に見えてしまった。
・謎コミカル。
ex)プロトトライドロンでの逃走時に、「助けて」はないでしょうよ……ww
とまあ、結構気になる点はありました。
が、駄作だったかというとそんなことはなく、かなり楽しめましたというのが事実。
上記の点をカバーできる勢いがあった、というのが正確でしょうか。
あまり、観劇中に集中が途切れなかったように思います。
何よりも評価できるのは、ストーリーのシンプルさ。
シンプル過ぎて、真犯人候補(登場人物)が少なくなり、結果として偽エイジが犯人側というのがあからさまになってしまったのは残念であるものの、SFのテイストを残しつつ、決して難解な設定を組み込んでこなかったのは良いですよね。子どもにも分かりやすかったんじゃなからうか。少なくとも、大きなお友だちでストーリーについていけないというのはないんじゃないかな。
そして、真犯人が外道なのも高評価。
最近の本編は、ロイミュードを殺さず再教育していた死神チェイスを消してまでロイミュードを殺し続けてきたくせに、ロイミュードは純粋悪じゃない蛮野が悪いとか言い始める迷走っぷりで困惑しているのですが、それ故に「殺すことを厭わない」敵を据えてきたのは嬉しい。
目的もセカイの支配者と王道ですし、そのためにタイムパラドックスを起こそうってのも、まあ分からんではない。
や、それでグローバルフリーズ起こせるのは真面目に考えると腑に落ちないものもあるんだけどさ。タイプスペシャルで対抗できちゃうから余計に。
また、キーアイテムであるトライドロンキーの扱いが巧い。
ベルトさんの補助なしでトライドロンを遠隔操作するという目的のため、アイテムの出し方が非常に自然。
そして超デッドヒートの変身や人格復元に至る理由も、「二人のデータ(記憶)が蓄積されている」とこれまた分かりやすい。
あのタイミングで説明台詞を言うのはやや不自然でしたが、それは超デッドヒートへの伏線(だけ)だと騙され、超デッドヒートに変身した瞬間に気にしなくなってしまいました。
はじめから、ネクストドライブドライバーへの人格復元・移植を目的とした説明台詞だったんだなあ……。
欲を言えば、本編でトライドロンキーを出しておいて欲しかったかな、というところ。
それとも、既出で僕が忘れているだけ?
超デッドヒートのデザインも好みだし、マスク割れもやってきたし。
あのスーツ、どうにか再現できないものか。コスしたい。
ギミックをトライドロンキーに詰め込んだことで、変に作品が間延びしなかったように思います。人格復元時に、シフトブレスに刺さないのかよ、と突っ込んではしまいましたけどね。
シフトブレスに刺すならベルトは装着しなきゃ不自然だし、そうすると進之介も落雷に当たることになるので、仕方ないといえば仕方ない。
設定にばかり言及しましたが、アクションシーンも、シンゴウアックスやゼンリンシューターを使うドライブが新鮮で良い感じ。
全ての武装が使い捨てのように映ったのはやや残念。もうちょい長く使ってくれ。できればブレイクガンナーも使ってくれ。
ただ、ドライブは下手に武装を用いるよりは、タイヤを用いた立体高速戦闘演出のほうが映える気はした。
アクションシーンといえば、ゴースト。良かったですね。
唐突に現れて、唐突に消える。非常に怪異っぽい。
敵さんの倒し方も、デコトラにぶつけるという意外性溢れるもの。
動きも良かったなあ。ってか、あの部分発光すんのね。残光エフェクト好みよ。
結構な金使ってそうだけど、本編でもあの動きはやって欲しい。
もう一つ注目したアクションシーンは、マッハとドライブのダブルキック。
アレはやっぱり映えるね。それ故に、独りで戦ってたチェイスもマッハと共闘して欲しかったなという欲目。
マッハとの同時変身や、バイクの遣り取りは好きだけど。
あっ、バイクの遣り取りとか、「彼女もいないんだぞ」「いつかできるよ」の遣り取りとか、そういうコミカルは好きでした。
後は、未来からのメッセージそのものがミスリードだったという仕込みも好み。
あの動画で、エイジ黒幕説は優先順位下がったもんなあ。ネクストドライブ自体が遠隔操作(自律動作)可能というのは「なるほどやられたな」という感じ。「仮面ライダー=誰かが変身している」という思い込みに引っかかりました。
追うものと追われるもの。仮にエイジがグルであったとしても、もう一人犯人(ネクストドライブの変身者)がいるだらう、と。
この思い込みが活きたのも、「未来からのメッセージ」あってこそだと感じます。
すげぇ雑になったけど、感想としてはこんなところ。
欲を言えば、もう少しエイジとの交流シーンを描いて欲しかったかな。
あの薄さだと、死んだとか裏切られたとかに感情移入しづらいんだけど、それはディレクターズカットに期待か?
あんまり期待するのも良くないか。
そういう意味では尺が足りなかったと感じたのかもしれません。
そしてすげぇ気持ち悪い要望としては、もっと剛とチェイスの描写が欲しかった。
あの二人の絡み、すげぇ好きなんですよ。進之介と霧子の絡みよりも。だから、バイクの遣り取りは、結構ドキッとしました。ただ、その程度じゃない?
今回は進之介とベルトさんの交流に力が入ったため、サブライダー描写は薄くなりました。
もちろんテーマがハッキリしているという点で、評価できるポイントでもあるんですけどね。
でも、マッハのヘルメット外す演出がなかったのは許せない。
映画でやらずにいつやるのよ……。本編もデッドヒートしか使ってないし……。
そう言えば、ドライブのフォームチェンジもいくつか省略されましたね。
本編で登場することはあるのだらうか。
本編といえば。
この映画の問題点は、現状、本編には挟めないところにあるんですよね。
チェイスが蛮野を除く三幹部に会いに行ってしまったから。
この後にそういう展開が訪れるのか……?
本編で描かれた、蛮野がドライブドライバーに加えた仕込み。
それが映画で描かれたものだったのか、それとも本編内で別に解決されるのか。
本編に沿っているとも、パラレルであるとも判断しづらい点が、最大のマイナス項目かなあ。
偽エイジの「八割の真実」も、つまり未来ではロイミュードが支配者層に立ったということになるんだが、じゃあ誰がトップなんだ? 蛮野か、それともハート様か。
また、特状課はどうしている? ネクストドライブシステムが完成しているという点で、滅ぼされたわけではないようだが……。
この辺りの疑問が本編で解消されるかどうかで、また少し評価は違ってきそうです。