痴レ者につき。

井の中の蛙が、井の中から空を見上げたり、井の中に落ちてきた枯れ葉を眺めては、「これは何だらう」と愚考する系チラシの裏。

テクストにおけるプロデューサーの「キャラ」――シンデレラガールズ第六話(+第五話)

ピエロになれずに肩を落とす、そんな夜。

変に前置きしようとも思えないので、ちゃちゃっと感想に参りましょう。

第六話までのネタバレを含みますので、ご注意くださいませ。

 


さて。

今回の話、実は非常に好みです。
挫折や困難を、こういう形で描いてきたかと、感嘆しております。

過去の『アイドルマスター』シリーズではあまり見られなかった形の挫折ではないでしょうか?
「舞台に立てない焦り・不安」という方向は思いつきますが、「舞台に立ったから挫折」という方向は、即座には思い出せない。
(自分がファッション・ファンだからなのかもしれませんが)

上手い解決策がパッと思いつかないという点も加味して、大好きな展開でございます。








一点の問題点を除けば、ですが。



「前回のストライキは何だったんだよ!」






前回の記事でも書きましたが、第五話における「ストライキ」が起こった理由は、みくにゃんの承認欲求を満たせなかった点にあります。
要するに、コミュニケーション不足です。



「お前何も学んでねぇじゃねぇか!」



ストライキを止めたみくにゃんが可愛そうになります。
(と言うよりも、だからこそ何故アレでストライキを止めたのかが分からないと繰り返し言っていたわけなんですが……)






今回の件。
プロデューサーが一方的に悪いとは言い切れませんし、もちろんちゃんみおのみに落ち度があるとも思いません。

元々初舞台が城ヶ崎美嘉のライブになるなんて、プロデューサーのプランには存在していなかったでしょうし、その客数が基準・当然になっているという想定外の発想に気づかなくても、無理はありません。

城ヶ崎美嘉を基準にしてしまったちゃんみおも、これまでに下積み中のアイドル(のライブ)を目にする機会がなく、「光り輝く」アイドルしか知らなかったとしても、まあ、無理はない。
下積みを経験する前に大舞台を経験してしまったが故の悲劇でしょう。

もちろん、だからと言って城ヶ崎美嘉に責任を求めるのもお門違いです。





が、「コミュニケーションを取れば回避できただろう?」という思いがあります。



前回のストライキがなければ、コミュニケーション不足による事件が起こっても、素直に受け入れることができました。
シンデレラガールズ』が『アニマス』の本歌取り的につくられているとするなら、むしろ納得できます。「ああ、ちゃんみおが美希のポジションだったんだな」と。



しかし、コミュニケーション不足による事件は前回やったでしょう?


前回プロデューサーは何を学んだんだ、と。





「順次デビューさせるつもりです」
すなわち、「だからしばらくは我慢して下さい」という宣言に留まらず。

「私を見てほしい」
に対しても、実はニュージェネレーションズすらまともに見ていなかった事実が浮き彫りになった今回。




前回のストライキは何だったのか。

みくにゃんの涙は何だったのか。




心の底から、みくにゃんが可哀想になります。




プロデューサーがコミュ症気味なのは、第一話から薄っすらと見えてはいました。
だからこその、前回の展開だと(無理やり)納得させていました。

にも関わらず、結局みくにゃんと会議をしないどころか、ちゃんみおともコミュニケーションを取らない有様。

ちゃんみおからはコミュニケーションを投げかけていたというのが、また哀しくなります。
※14日20時前後訂正:ちゃんみおに対してはちゃんとプロデューサーから声かけをしていました。それを忘れる程度に頭に血が上っていた模様。申し訳ございませんでした)




プロデューサーにもトラウマがあるみたいですが、

「そういうトラウマがあったんだから、ちゃんみお許してね」

――という展開は、明らかにおかしいです。



プロデューサーのトラウマをケアしつつ、ちゃんみおの心の傷を癒やす。

どんな展開になるんでしょうね、次回は。



キーパーソンはしぶりんでしょうか。

即座に鬼の形相にならなかったのは、プロデューサーの本意は読み取れていて、その上でもっと適切な言葉があっただろうという気持ちの変遷があったからだと信じたい。

もしくは、卯月が主人公力を発揮するか?





ああ、みくにゃんが発破かける展開もありそうですね。

というか、みくにゃんが関わる展開にしないと第五話の存在意義が怪しくなってくる……。――以上。