EDという「日常への帰還」と、本歌取り想起II――シンデレラガールズ第四話
適当なタイトルが思い浮かばない今日此の頃。
本日『遊戯王5D's』の再放送が終了し、朝から涙腺を刺激されておりました。「YAKUSOKU NO MELODY」はやっぱりズルいですね。
本放送時は結構文句言いながら観ていたような印象が強かったんですが、意外と思い入れがあったんだなあ、と。
尤も、私のライディングデュエルはクラッシュして止まりそうになっていますが。
ってことで、『シンデレラガールズ』第四話の感想記事です。
『シンデレラガールズ』第四話までのネタバレと、アニメ『アイドルマスター』(以下、『アニマス』と表記)のネタバレがございますので、ご注意ください。
先に今までの『シンデレラガールズ』関連記事を読んでいただけると、理解が容易になると思われますので、よろしければ是非。
さて。
『シンデレラガールズ』第四話は「シンデレラプロジェクト」のメンバー紹介回であり、その紹介はニュージェネレーションの三人がカメラをまわす、という形式でした。
このカメラを通してメンバー(登場キャラクター)を紹介するという構図は、『アニマス』第一話を彷彿させます。
このような構図からも、『シンデレラガールズ』は『アニマス』の本歌取り的につくられているんじゃないかなあ、と想像力を働かせることができます。
同時に、『シンデレラガールズ』の紹介動画は非常に賑やかなものになっていたことから、『アニマス』の静的イメージと『シンデレラガールズ』の動的イメージを強めたようにも思えます。
いつぞやの「リスタート」と「スタート」の話ですね。
まあ、本命は本歌取り的な演出についてです。
『シンデレラガールズ』を『アニマス』の本歌取り的に考えた場合、非常に興味深いアイドルがいます。
みくにゃんこと、「前川みく」です。
第四話及び第三話において、みくにゃんは(バックダンサーとは言え)舞台に立った三人を強く意識していることが窺えます。
「次は私が」的な言動も、何度か見られました。
この「次は私が」という言動や、やや焦りや影の入ったような描写は、『アニマス』における星井美希のポジションを思い出させました。
星井美希は「キラキラしたい」という理由から「竜宮小町への加入」のために頑張り、しかしそれが報われなかったためアイドルを辞めようとする物語を展開しました。
「トップアイドルになりたい」とか「竜宮小町に追い付きたい」ともまた違う、「キラキラを求める」物語です。
同時に、赤羽根プロデューサーには余裕がなかった、つまり決して有能なベテランプロデューサーではないことを印象づけた物語でもあります。要するに、プロデューサーの物語でもあったわけですね。
やや苦しいですが、「竜宮小町」を「先に舞台に立ったアイドル」と捉えることで、「島村卯月・渋谷凛・本田未央」を「竜宮小町」に、「前川みく」を「星井美希」に見立てる、本歌取りのような構図が見えてくるような気がします。
このように捉えると、「欠如の回復」物語における「欠如」の描写にもつながりますしね。
問題となる、というより、興味深い点は、『アニマス』において星井美希の「欠如の回復」には、赤羽根プロデューサーが深く関わっていることが挙げられます。
少なくとも星井美希に関しての物語は、「アイドルとそれを支えるプロデューサー」の構図であったのです。
『シンデレラガールズ』において、プロデューサーは裏方に徹しています。
カメラを自分でまわさずに、アイドルに頼んだことからも、それを垣間見ることができます。
みくにゃんの欠如が描写されると仮定した場合、その回復はどのような物語になるのでしょうか。
『アニマス』と同じようにプロデューサーが手を差し伸べるのか、それとも他のアイドルが手を差し伸べるのか。
他のアイドルであった場合、そのアイドルは誰なのか。もしかしたら、ひとりで回復してしまうんじゃないか。
少なくとも、次に注目しておくアイドルはみくにゃんな気がします。CDデビューが決まったお二人には申し訳ないんですが、私はみくにゃんから目を離せない未来が視えちゃいますね。
以上が一点目の感想。タイトルにおける「本歌取り想起」の感想です。
次に二点目。
第四話でもう一点気になったのは、エンディングです。
第三話がいきなり特殊エンディングだったのと、『アニマス』でのイメージが強すぎたのか、エンディング映像が固定だと思っていなかったんですよね。
エンディング映像が固定だと考えた場合、『シンデレラガールズ』の一話にはちょっと面白い構造を垣間見ることができます・
それは、「エンディング映像が日常への帰還」を描いている点であります。
あのエンディング映像が、アイドルとしてのお仕事中だとはどうしても思えません。
帰り道ですよね、あの映像はどう見ても。
ゲーセン寄ったり、喫茶店に寄ったりと、帰り道以外のなにものにも見えません。
アイドルが一緒にいることから、346プロダクションからの帰り道と考えるのが自然ではないでしょうか。
つまりあのエンディングは「行って帰る」物語の「帰る」部分を描いているのです。
そしてそう捉えた場合、本編にも興味深い特徴があります。
『シンデレラガールズ』の第四話って、基本的に346プロダクションの敷地から外に出ていないんですよね。
実は第二話も、346プロダクション内部での物語でした。
これらのことから、『シンデレラガールズ』は346プロダクションを非日常と見立てた「行って帰る」物語構造であると捉えることができるのです。
これはちょっと面白いといいますか、一話ごとに「行って帰る」物語構造になっているのは、結構驚愕です。
もちろん、既に第一話第三話という例外があるため、偶然である可能性も高いのですが。
しかし、それでもエンディングが「日常への帰還」を意識している映像であることは間違いないのではないでしょうか。
こう考えると、『シンデレラガールズ』を「行って帰る」物語的に捉え「ヒーローズ・ジャーニー」の構造であると予想したのはあながち的外れでもなかったんじゃないかと思えてきます。
第四話にてメンバー紹介や、みくにゃんの暗雲が描写されたのも、「ヒーローズ・ジャーニー」における「仲間、敵対者/テスト」に相当するようにも思えてきますし。
十中八九、自分の考えに合致するよう、本編を都合の良いように解釈・曲解しているだけだというのは、理解しているつもりなんですけどね。――以上。
あ、余談というか質問なんですが、今回のきらりんの衣装の元ネタを知っている方っていらっしゃいませんか?
リボンを付けたゴジラ系の怪獣って、どこかで見たことあるように思うんですが……『パワポケ』だったかなあ。
明日への道〜Going my way!!〜 / YAKUSOKU NO MELODY
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