怪奇月蝕キヲテラエ『私の評価は星がする※個人の感想です』を通じて自省する9月8日。

今って"キヲテラエ"でググると一番上に来るんですね。驚愕。
「西尾維新が怪奇月蝕キヲテラエをパクった」と
妄言がぶち撒けられる日が来るのを心より楽しみにしております。

公演から早一週間も経過してから記事を更新しているのは、
別にこのブログの存在を忘却しているからではなく、
正直今回はあまり感想を書きたい気分になれなかった、という理由が強いです。

それでも観劇したからには何かしらの足跡を残したいとのことで、記事を書く。
文章の勉強にもなりますしね。
友人がネット小説を書き始めたので、ちょっと影響受けてます。

本題。
『私の評価は星がする※個人の感想です』の感想ですが、

「怪奇月蝕キヲテラエにしては毒が弱過ぎる」

「↑の感想を出させようと計算しているのが愉悦」

――の、2本。

今作の毒が弱いのは当然で、
愛情を欲求する自己愛性ちっくな人間に対して
承認欲求満たす活動させたらそうなるわ、
ってお話なんですよね。

別に彼女が愛情欲求畑の住人であることは隠されていないわけでして、
むしろ冒頭からアピールされているわけでして。
そんな彼女に「人類みんな構ってちゃんなんだよ」と
愛情欲求を増長させる言葉をぶつけたら、まあ、ねぇ。

と、当然の事を当然のように描いただけなので、
そりゃ劇薬には至らんよね。

今回の発想の素晴らしい点は、
「レビューサイトと愛情欲求の相性の良さ」

確かに作中でも指摘されていたように、
レビューサイトと承認欲求はあまり相性が良くないです。
評価が低ければ価値は無く。
評価が高くても中身(コメント)が気に食わなければ価値は無し。

でも、愛情欲求なら星の数や中身なんて関係ないよね。
「レビューがつく＝私をみた」の図式ですもの。
やっぱり彼女は独りでやってたほうが幸せになれたんじゃないかしら。

そのルートでも「10人客がいたのに8人しかレビュー書いてくれない」
「2人も私を見てくれなかった！」で自害に至っていた気がしますけども。

今作で浮き彫りにしようとしていたレビューサイトの欠陥について。
レビューサイトユーザの欠陥として、
「そもそもレビューを書かないユーザがいる」って事を失念しがちなんですよね。
サイレントマジョリティの星0がいるんですよ。
本来ならその分平均値、あるいは期待値を下げなければならない。

そういう点から考えるに、
期間内に星5を集めろってのは理には適っていましたよね。
愛情欲求や承認欲求に留まらず、
自己実現欲求までに達しろという理屈。

問題点は、
自己実現欲求にまで達したプレイヤーは、
レビュー個々に対して一喜一憂する段階を終えてしまっている。
故に、プロダクションマネージャあるいはスポンサーの優劣による
結果に落ち着くという展開になりました。

別にコンテンツとして捉えた時には
問題になりませんけどね。
承認が欲しいプレイヤーが
コンテンツとして捉えられると苦痛ってだけで。

そんな考えれば自然なことしか言っていない今作の毒は弱い。激弱。
でも、場外戦術に目を向けると、ちょっと愉しいことに気づきます。

「フューチャーズチケット」

今作は「劇団ブランドだけで売った」席があるんですよね。
それって作中で星5を取ろうとしていたプレイヤー達と何が異なるんでしょうね。
ねっ？

つまりつまり今作って、観客自身を批評する作品なんですよ。
中身が判らないのに劇団ブランドで寄ってきた大衆。
中身が判らないのに役者ブランドで寄ってきた大衆。
周囲から高評価だからと腰を上げる大衆。

つまり僕だよ！

だから毒が弱いと感じる。
強い毒だと認識する＝自分を強く責めることになりますから。
精神的な自傷趣味者なんてそうはいらっしゃいませんよ。

そこまで分かっても、思惑通りに毒が弱いと感じるから、
愉悦できちゃうんですよね。

というわけで、本作は作品内容だけだとちょい不満。
その不満も計算されている点が愉悦。
そんな個人の感想でした。

マインドコントロールが
ちょっと悔しいので、中々感想書けなかったのも事実なんですけど。
天王洲アイルが金髪縦ロールじゃなかったのも悔しかった。

そう言えば一切舞台の粗探しをしようという気持ちにさせなかったのは、当然なんですがすごいことだなあ。

完全に余談ですが、最近
『魔法少女まどか☆マギカ　VS　やる夫』を
読み返していたのも、
毒が弱いと感じた一因かもしれないです。
エターにさえならなければ良いのよ。
アマにはそれ以上を求めないわ。

消費するかは別問題だけどね。